привет!プリビエット! marronsky(マロンスキー)です。
ロシアでの長い長い冬の終わりがやっと見え始めた今日この頃。
最近は青空が広がる日が増え、日の出日の入り時刻も7:30~19:00と、太陽を見ることが多くなりました。
春を待ち遠しく思うのは日本人だけではありません。ロシア人も同じです。
先週は、Масленица(マースレーニッツァ)という冬に別れを告げて、春の訪れをお祝いするお祭り週間でした。
Масленица(マースレーニッツァ)とは?
マースレーニッツァとは、元々はスラブ時代の伝統的な行事です。
農業を生活の柱としていた彼らにとっては、冬の終わりは農作業の開始を意味します。待ちに待った春が訪れることを、歌や踊りと共に盛大にお祝いをしていました。
そこにロシア正教が広がります。
ロシア正教では、キリスト教の復活祭(イースター)の前の7週間は肉食を避け、厳しい精進に徹します。その期間に入る前1週間の準備期間を、マースレーニッツァとして祝うようになりました。
時代は進み、今となってはそこまでの精進期間を過ごしている敬虔な信者がどれほどいるのかはわかりませんが、春の訪れを祝う伝統的なお祭りとして、楽しまれています。
ロシア人の知人に
「マースレーニッツァって、春の訪れを祝うんでしょ?」って聞いたら、
「違う。冬の終わりを祝うんだ。」と言われました。
その違いには、何かこだわりがあるのかしら…。
Масленица(マースレーニッツァ)はいつ?
2021年は3月8日(月)~3月14日(日)ですが、これは毎年日付が変わります。
と言うのも、前述の通り、マースレーニッツァはイースターの前の精進期間(7週間)の直前の1週間です。
そして、イースターは「春分の日の後の最初の満月の次の日曜日」と決められているからです。
2021年のイースターは、グレゴリオ暦を使うカトリックやプロテスタントでは4月4日、ユリウス暦を使用するロシア正教では5月2日です。(クリスマスと同じ理由で、日付が異なります。)
その8週間前が、今年は3月8日~14日になるということです。
Масленица(マースレーニッツァ)と言ったらблины(ブリヌイ)
マースレーニッツァに欠かせないのがблины(ブリヌイ)。
英語では「Pancakes(パンケーキ)」と訳されますが、ロシア版のクレープで、生地は丸い形をしています。その形が太陽に見立てられ、マースレーニッツァのシンボルになりました。
また、Масленица(マースレーニッツァ)という名前は、バターを意味するMаслоに由来しています。
バターをたっぷり使って焼き上げられるブリヌイは、ロシア正教徒が精進期間に入る直前、牛乳やチーズなどの乳製品が許可される最後の週に食べられるご馳走でもあるのです。
そんな理由から、マースレーニッツァは、別名「チーズウィーク」や「クレープウィーク」とも呼ばれるそうです。
実はこのブリヌイ。
ロシア料理としては至って一般的な食べ物で、ブリヌイチェーン店もあるほど。
薄く丸く焼いたクレープ生地に、ジャムやサワークリーム、イクラやサーモン、ハムやチーズなど、好きな具材を包んで食べます。
この時期になると、レストランでは期間限定のブリヌイメニューが出たり、テレビではブリヌイの作り方を頻繁に放送したりしていました。
イベントとしてのМасленица(マースレーニッツァ)
宗教行事としてのマースレーニッツァは、1週間の過ごし方が細かく定められているようですが、春の訪れ、もとい、冬のさよならフェスティバルのマースレーニッツァは、サンクトペテルブルクの各地でイベントが行われています。
次回はその様子をご紹介します。